ご挨拶


二年坂で営業しておりました高台寺土井は、2018年、店名を改め
「祇園 土井」として祇園花見小路に移ってまいりました。

昭和13年の創業から長年にわたって蓄積してきました器に京料理を盛り付け、季節の息吹を表現すべくこころがけております。 饗宴のための京料理です。

Gion Doi is Japanese traditional cuisine restaurant. Kaiseki ryouri is at a reception course cuisine.

 


日本料理・京料理について


京都に都が置かれてから1200年余り、料理は平安時代から饗応の文化として続いてきました。本膳料理を主流として精進料理や懐石に影響を受けながら変化発展してきました。今日、それが京料理や会席料理と呼ばれて料理店で提供されているものです。
京都は海から離れた内陸部なので、食材としては海魚を多く使う料理ではありませんが、流通の発達によって今では新鮮な海魚も重要なものになっています。それでも野菜や乾物、淡水魚、山菜などが伝統的に食材として重要視されています。
また、良質の地下水を昆布と鰹で味付けした出汁(だし)が調理には重要で、食材のもつ本来の味を、失うことなく味付けするのが基本です。
4~7品の料理が順番に出され、最後にご飯と漬物・汁で料理が終わり、あと果物か菓子の甘味がお茶のために出されます。
京都には公家や武家、茶家に代々工芸品を納めてきた職方があり、その美観や感覚が市民生活にも深く根づいています。料理店では、そのしつらえ、掛け軸などを目にするのも楽しみですが、なんと言っても、料理が盛りつけられる器に注目です。仁清や乾山からはじまる京色絵陶磁器、魯山人の器など本物に接することはできなくても、京都の職人たちは彼らの影響を強く受けており、出てくる陶磁器、漆器を愛でるのも京料理の楽しみです。
加えて食事の時間は楽しく過ごすのがいちばん。楽しい会話で料理を召し上がっていただければ、きっと人生の至福を感じていただけるでしょう。